以前のブログでも少しお話ししましたが、TOPPERS/箱庭ワーキンググループの目標の一つは、大阪万博への出展です。今回、その目標に向けて新しい一歩を踏み出しましたので、その内容をご紹介したいと思います。
箱庭でやりたいこと
ROSCon JP 2023の展示ブースでご説明しましたが、箱庭WGでは、箱庭とmROS 2 を組み合わせて、バーチャルだけでなくリアル世界ともシームレスにつながる世界観を実現しようとしています。
ROSCon JP 2023 では、ローカルWi-Fiネットワーク環境でリアルとバーチャル融合体験をお披露目しましたが、次のステップは5G環境で同じことを実現させることです。
その狙いは大阪万博です。万博来場者の方が、スマホで箱庭の空間に入り、リアルとバーチャルの融合体験ができるようにしたいと思っており、そのためには、5G環境での検証が必要になるというわけです。
実証実験の目的と検証内容
今回の実証実験の目的は、5G環境下で箱庭が利用している要素技術の通信到達性検証です。
箱庭と mROS 2 を組み合わせて、リアルとバーチャルの間で UDP と ROS 2 で通信していますから、5G環境下でも透過的に通信できるかどうかがポイントとなります。
そして、下図が今回のネットワーク構成です。
左側に2台のサーバー(ノートPC)があります。MacOSには箱庭がインストールされています。Ubuntuには、ROS 2環境がインストールされています。右側には、AR端末と走行ロボットがあり、5Gルーターを介してサーバーと双方向通信を行います。AR端末は、UDPで通信を行います。走行ロボットはROS 2で通信を行います。
今回の実験での検証ポイントは、以下の2点になります。
- IPベースの双方向通信できること
- ROS 2のDDS通信が成立すること
特に後者の実現にあたっては、NATを越えたマルチキャストの疎通ができない懸念がありましたので、サーバーとの通信ではZenohを利用することにしました。
実証実験の風景
今回の実証実験(2024/2/8-9)では、ソフト産業プラザ TEQSさんの5G環境を利用させていただきました。また、実証実験の作業にあたっては、TEQSさんの手厚いサポートの下で、箱庭ワーキンググループメンバの高瀬先生と細合さんと一緒に行いました。
多大なるご支援をいただき感謝申し上げます。
実験結果
論よりRUN、実験結果をご覧ください!
MacOS上で箱庭を起動し、Unityで箱庭の世界を映しています。裏で、細合さんがROSトピックを発行し、リアルロボットへの移動指示をしています。手前のロボットがそれに合わせて動くと同時に、箱庭の中のロボットも動いています(それぞれ異なるロボットですので動きが違います)。
そして、それを AR端末である iPhoneで見ることができました!
5G環境での通信到達性テストとしてはバッチリです!
おつかれさまでした!
コメントを残す