🛠 箱庭ラボ日記──2025年12月13日


広島出張の次の目的地は、

路面電車で原爆ドーム前まで行き、そこから歩いて10分ほどの場所にある、広島国際会議場でした。

12月10日(水)。

すごく天気が良かったので、広島駅から、歩いて学会会場へ向かいました。

思い返せば。

計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会。
箱庭ラボは2023年に設立され、最初の学会デビューはSI2023でした。

富山県立大学の大山先生から、
「学会で発表しませんか」
というメールをいただいたのがきっかけでした。

それ以来、毎年発表の機会をいただいています。

2023年は新潟、2024年は岩手、2025年は広島。

実は広島には、学生の頃、学会発表で一度訪れたことがあります。

それから25年の時を経て、この地に再び来ることになるとは、思いもよりませんでした。

スポットライトセッション(口頭発表)

今回の学会では、
分散シミュレーションハブ「箱庭」
ポスター発表を行いました。

そのポスターセッションの前に、 発表概要をおよそ1時間前に紹介する
「スポットライトセッション(口頭発表)」の時間があります。

こちらは、そのときの発表時の一枚です。

閑古鳥が鳴く中。

「箱庭って、地味なんですよね。」

はい、ポスターセッションでは、

あまり人の入りはありませんでした。

ただ立ち尽くして、

たまに立ち寄ってくれる方に、

箱庭の紹介をしていました。

箱庭のポスター

実は、この箱庭のポスターは、

作成から印刷、そして現地までの運びまで、

名古屋大学の高田光さん

(箱庭WGのコアメンバー紹介:みつさん)が

すべて手配してくれたものなんです。(ほんとうにありがとうございました)

みつさんとぼくは、同い年でして、
思い返せば2017年ごろ、
ぼくがAUTOSAR RTEの開発をしていたころのことです。

TOPPERS開発者会議の合間に、
みつさんにRTEの設計や実装について
あれこれ解説していたのを、よく覚えています。

それから箱庭WGを経て、
もう8年越しの付き合いになるんですよね。

かえりの電車の中で。

ポスター発表もひと段落し、
電車に乗って広島駅へ。

広島駅に着いてからは、
ひさしぶりに、
みつさんに思いのたけをいろいろと聞いてもらって、
話していました。

 ハイボールと焼き鳥に舌鼓をうちつつ。

「結局のところ、
 箱庭はアーキテクチャの視点がないと、
 本質はなかなか伝わらないよね」
そんなことをグダグダと話しており。

箱庭のアーキテクチャの本質は?

「シミュレーションする前に、
 どういうコンポーネント構成にするか」
この視点がないと、そもそも成り立ちません。

だから、
アーキテクチャの視点がまずないと、
箱庭はたぶん、
その価値は半分も生きてきません。

ポスターセッションの質疑の中でも、
「シミュレータをつなげる
 糊付けの通信プログラムを書けば
 済む話じゃないの?」
と問われました。

仕方がないから、
「シミュレータが2個なら、
 たぶんそれでよいと思いますよ。
 でも、これが3個、4個と増えたら、
 どうしますか?」

と。

でも、あまり、押し売りするつもりはなかったので、
「まー、趣味の話だと思うので」
と、さらっと流して。…そんな話を、
帰りの電車と、焼き鳥屋でしていました。

そうはいっても。

ポスターセッション中は、
そんな中でも、常連さんがいらっしゃいます。

いつも、
「今の最新の箱庭の話を聞かせて」
と言ってくれる健気な人もいます。

そこで、ぼくは調子に乗って、
「次の箱庭は100台同時シミュレーションをやります!」
「そのための技術が、Runtime Delegationなんです!」
と、熱弁していました。

我ながら、子供っぽいなと思いつつ。
それでも、

「おもしろい!」

と言ってくれるんですよね。

世界の震えを感じる場所

ぼくは、ときどき思う時があって、
 すごく繊細で、
 傷つきやすいひと
と思う時があります。

「繊細さ」って弱さに見えますよね。

でもね。

ぼくは、最近、そう思わなくなりました。

繊細さを読み替えてみると、
 センサーがとても研ぎ澄まされていて感度が高い
ともいえます。

そのセンサーが、もし、世界の何かを感じ取るとしたら。

そこには、ノイズも当然あります。
でも、研ぎ澄まして感じていると、
ある瞬間、
本物とそうじゃないものが、
自然にすっとわかることがある。

そして、その震えを感じて、
その場にとどまり、
本質を見て、感じて、
言葉にする。伝える。

その繰り返し、
継続こそが大事なんだろうと思います。

繊細さは、世界の震えを感じる力。

いいわけです。ごめんなさい。

でもね。

創造とは、魂が震えたその場にとどまり、それを他者に届けるまでの旅。

なんだと思います。

おしまい。


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