2024年12月20日、SI2024での箱庭デモ展示の帰りの電車の中、パソコン片手に、新たな思いで、プログラムを書き始めました。あれから約1ヶ月半経ち、今、箱庭ドローンは新しいステージに向かって動き出しています。今日はその経緯や、この短い間に起こった変化、そして現在できていることについて、少し思い出話を交えながらお話ししたいと思います。
新アーキテクチャ
2024年12月29日、箱庭ドローンコアの1stリリースをしました!
箱庭ドローンの新アーキテクチャのコンセプトは、「すべてを部品化、組み合わせして、新たな価値を創造する!」です(今考えました)。そして、この素敵なアーキテクチャを武器にして、何か新しいことをやりたくてムズムズしていました。
新しい機体との出会い
2025年1月2日、ふと、OnShape にしようと思い立ちました。
あの箱庭まつり#2の柴田さんのご講演を思い出し、見つけてしまったこの機体(DJI_avatar2 3D model)。
これを箱庭ドローンの新機体にしようと思いました。
補足:
手順はこんな感じで、簡単に組み込むことができました。
- OnShapeでモデルをCOLLADA形式でエクスポート
- Blenderで fbx ファイルに変換
- Unityに組み込み、箱庭ドローン化
新アーキテクチャの本領を発揮させる
箱庭ドローンコア機能は、それ単体で共有ライブラリ化できます。ピュアC/C++で完結するライブラリとしてドローンシミュレータを提供できるというわけです。そして、そのライブラリをUnityに組み込めばどうなるだろうか?と思いにいたったとき、バチっと閃きました。
「箱庭のインストールとか一切なしで、ドローンシミュレーションをゲームとして楽しむことができる」(2025年1月3日)。
箱庭の新アーキテクチャでは、箱庭をライブラリとして手軽に使えるようにしたいと思っていましたので、まさにこのUnityアプリはもってこいの題材だと思いました。
新しい箱庭ドローンUniyアプリの誕生
論よりRUN!!
これが新生Unityアプリです。箱庭を使わずにサクサク動いてくれます!
早速、Windows アプリ化して、いろんな人に試してもらいましたが、PS4コントローラさえあればドローンシミュレーションを楽しめますから大好評でした。
こちらで一般公開中です!
https://github.com/tmori/tutorial-hakoniwa-unity-drone/releases/tag/v1.0.0
手順:
- Drone.zipをダウンロード
- Drone.zipを解凍
- PS4コントローラーをパソコンに接続
- drone-simulationexeを起動
- PS4コントローラーのXボタンを押下
- あとはスティック操作で移動します
手軽にXRドローン体験
ここまでできれば、当然、QUEST3アプリ化です!
箱庭のUnity6も合わせ技で一緒にやりながら、VRおよびARアプリ化に成功しました。

ARアプリはこちらで一般公開中です!
https://github.com/tmori/tutorial-hakoniwa-unity-drone/releases/tag/v1.0.0
手順:
- model.apkをダウンロード
- model.apkをQUEST3にインストール
- QUEST3でアプリを起動
- 左スティックのXボタンを押下
- 右スティックのAボタンを押下
- あとはスティック操作で移動します
手でブロック!
さらに、エンタメ向けにドローンを手でブロックしたくなりますよね。
平鍋さんに作成いただいた衝突ライブラリを使って、ドローンとの衝突運動をUnityでも簡単に実行させることができちゃいました。これは面白いですよ。
箱庭ワールドへようこそ!
皆さん、QUEST3を複数人で装着して、互いのドローンとバトルしたくありませんか?箱庭を使うと簡単に実現できるのです!
そして、そのためのアーキテクチャがこれです。
論よりRUN!!
2台のドローンが見えますよね。白いドローンと黄色のドローン。
白いドローンは、QUEST3で動作しているドローンです。黄色の方は、パソコン上でシミュレーションしているドローンです。まだ開発中なので、この構成ですが、もうすぐQUEST3を2台使ったバトルができるようになります。
おまけ
ちなみに、ドローンの衝突、色々と試していて分かったことがあります。それは、単純に衝突させるだけだと、ドローンの移動方向は変わるのですが、回転がほとんどかからないことでした。普通の感覚ですと、ぶつかれば、ちょっと傾いて倒れていくのを想像しますよね。
そんなわけで、この謎を調査しました。以下がその時の動画です。
さらに、これをグラフ化するとこうなります。グラフの横軸は時間で、縦軸はドローンのヨー角です。インパクトを与えると一瞬角度が増えますがすぐに姿勢制御が働いて元の角度に戻ります。
ここから、ドローンの姿勢角および角速度制御がきっちり動作してくれているおかげで、それほど大きな姿勢変化まで至らなかったということがわかりました。
これ、制御としてはバッチリだと思いますが、エンタメ向けにはちょっと物足りませんよね。
で、考えました。ドローン制御にゲームの世界のデバフ効果を与えてはどうかと。
つまり、衝撃を受けた瞬間、一瞬だけ制御不能状態にさせる機能です。あってはならない機能だとは思いますが、、、エンタメ性としてはとても効果的だと思います。
そして、これがその成果です!
アッパーカットでブワッとふっとばせることに成功しました!
目指せ大阪万博!
さて、この技術、何の役に立つのか?と聞かれることもあります。でも、私たちが目指すのは、そんな問いを超えた次なる挑戦なのです。
私たちの次なる舞台は2025年の大阪万博。箱庭ドローンの技術を駆使して、来場者がAR空間で未来の遊びを体験できる場を作ることです。
ドローンが飛び交うARの世界、リアルとバーチャルが交差する空間。その中で、人々が感動し、驚き、そして新しい未来を感じる。そんな遊び場を提供したいと考えています。
これが箱庭ドローンが創る未来の一端です。どうか、これからの進化にご期待ください!
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