2024年6月25日(火)、「箱庭ドローン・シミュレータ」v2.5.0のリリースをお知らせいたします。
最新のアップデートの詳細は、GitHubでご確認いただけます:hakoniwa-px4sim
今回の機能アップデートの主な特徴:
- 箱庭PDUデータの可変長配列対応
- 箱庭ドローンのカメラ周りの機能拡張
- リセット機能追加
- ネイティブWindows向けのリリースファイル自動作成ツールの一般公開
箱庭PDUデータの可変長配列対応
これまで箱庭PDUデータの配列データ型については、は固定長配列しか扱うことができませんでしたが、今回のアップデートにより可変長配列のPDUデータ型を定義できるようになりました。
(※) 従来の箱庭PDUデータ定義としては、最大配列長を事前に定義して、その範囲での利用が前提となっていました。
例えば、可変長配列のデータ型として、sensor_msgs/LaserScanがありますが、そのメンバ rangesとintensitiesの配列長は LiDARの製品スペックによって変わります。これまで、箱庭が標準で提供するLaserScanの最大配列長は360固定としていましたが、この制約がなくなりました。
sensor_msgs/LaserScan:
float32[] ranges # range data [m]
# (Note: values < range_min or > range_max should be discarded)
float32[] intensities # intensity data [device-specific units]. If your
# device does not provide intensities, please leave
# the array empty.
箱庭ドローンのカメラ周りの機能拡張
箱庭ドローンの前方にカメラが装備されていますが、このカメラの向きを上下に変更できるようにしました(上は15度、下は-90度まで可変)。また、カメラ映像は、リアルタイムにUI上で表示できるようにしました。さらに、カメラ映像はドローンの振動影響を受けることなく表示できるカメラGimbal機能を追加しています。
このアップデートにより、目視外のドローン飛行操作において周辺状況把握がよりやりすくなりました。
リセット機能追加
箱庭ドローンシミュレータは、将来的に制御工学向けの演習教材として機能拡張をしていく予定です。今回のアップデートでは、ドローンの制御パラメータを自動探索を行うユースケースを想定して、シミュレーションリセット機能対応を行いました。
デモとして、ドローンを10m上空でホバリングさせるまでのPID制御パラメータのチューニングを遺伝的アルゴリズムで実施した例がこちらです。個体数は全部で12個として、パラメータ探索用のプログラム側でリセット機能を利用することで、10世代の進化をさせています。徐々に最適化された制御を行える個体が増えていく様子が見えますよね。
ネイティブWindows向けのリリースファイル自動作成ツールの一般公開
箱庭ドローンシミュレータの main ブランチは、日々アップデートが行われています。最新の箱庭ドローンシミュレータを機能をリリース前に使いたいWindowsユーザ向けに、hakoniwa-px4-winの自動作成ツールを一般公開することにしました。
ツールの利用手順はこちらで公開していますので、ぜひご利用ください。
合同会社 箱庭ラボ 担当:森崇
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