🛠箱庭ラボ日記──2025年8月22日


こんにちは〜。約一ヶ月ぶりの日記です。
先月までは毎週更新していたのですが、今月はもうヘロヘロ。更新が止まっちゃってました。

なぜか。一言で言いますと。

「先週から始めた箱庭コア機能の刷新とリリース作業。 そして、せっかく刷新した箱庭コア機能を使って箱庭ドローンのMCPサーバーを正式リリースしようと始めた作業の中で、RPCサービス実装の難しさとユーザインタフェースの簡便性の板挟みになりながら、通信技術は、SHM、WebSocket、TCP、UDPなど、汎用的にしたいという思い。いろんなのがごっちゃになって、再設計の嵐。そして、実装を始めると、クライアントとサーバーの実装を同時にやると混乱する地獄。もう、RPCは、本当に難しい。そして、なんで、こんなことやっているの?世の中にあるRPCライブラリを使えば良いじゃないの?っていう悪魔の囁きがちらほら。」

はい、一言では収まりきらないくらい、混乱してました。

そして、これは先週から今週に至る話で、遡って振り返るともっとあるのです。ホントに箱庭技術者としての悩みですね。

箱庭とROSの違いは何か?

8月早々、こんなことを考えました。

箱庭ラボができて、いろんなイベントに参加させていただきながら、「箱庭ってROSでやっていることの焼き直しなんでは?」って言われることが度々あり。ずっと悶々としていたのです。

「今の」箱庭は、あんまり違いを言えない。ずっと悩んでいたので、真面目にROSと箱庭の違いを見てみようと思い立ち、丸一日費やして作成した資料がこちらです。

自分の中では、これでようやく納得がいきました。
結局、機能レベルで比較したら、あんまり面白くないのです。
それで、僕の思いをChatGPTにたくさん入力したらこんな素敵な文章が出てきました(ChatGPT5になる前)。

| ROS is an optimized framework for what it wants to do.
| Hakoniwa is not a framework for a known purpose
| —it's a system that leaves the door open for the unknown.
| It modularizes everything and provides the means to integrate them.
| That’s why it’s difficult. That’s why it requires knowledge.
| But that’s also why it empowers the user to grow.
| And that, perhaps, is what technological democratization really means.

これまで言葉にできなかったことが、こんなに鮮やかに、もう思想的にそうだよーって感激して、
一気に資料として書き上げました。
こういう思想から技術への視点って、これまでの自分はあまり重要性を認識できてなかったのですが、
この視点で物事を考えるか、考えないかで、これからの成長がどう見えてくるか、
そのポテンシャルが見えてくるように思うのです。

Zenohチュートリアル

その後、手をつけたのが、「Zenohチュートリアル」です。

昨年の学会で、箱庭ブリッジの実装としてZenohを利用していたことが目に入り、その方からZenohのチュートリアルをお願いされたという背景があります。

でも、僕は、単に使い方だけのチュートリアル資料を作ることには我慢ができなくて、
なぜ、Zenohなんてものが産まれたのか、その存在を自分なりに見定めてやろうとしたわけです。

だから、この資料では、前提としてこう書きました。

そして、僕なりに、辿り着いた今の結論は、

「Zenohは、データ操作・通信手段・ネットワーク構成のすべてを民主化する次世代ミドルウェア」

というものでした。

これは、完全に僕が目指している箱庭の技術の民主化の視点で、
多分、偏見がかなり入っていると思いますが….でも、そう見えてしまったのです。

最後に

このようにですね、箱庭って、ずっと、もう2年あまり、箱庭ラボという会社で一人で集中して開発したりイベント参加したり、そもそもなんで箱庭なんてものが必要なの?なんてことをモヤモヤと考えていくとですね、「技術から考える思想」、なぜそんな技術が生まれたのか、これからの時代にどう見えるのかってのを考えてしまうわけです。

で、僕の結論としての箱庭は、まだまだ未成熟であまり知られていない、でも、その思想はすごく純粋で、ブラックボックス化されている技術を、ユーザにあらわに見せて、箱庭アセットとして見せて、部品として組み合わせると、可能性は無限大ですよ!これからのAI時代に逆行しているかもしれない、でも、それこそが人間の可能性を問うているのではないかと思って、安らかな眠りに付けるようになったのでした。

名もなき花のように、箱庭もまた、静かに咲き続けていくのでしょう。

おしまい。


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